夏の決断 Changing life

ヤコブ・パパ(航海士)が航海から帰ってきて、ママはずいぶん楽になりました。

情けなくも、たまっていた疲れのせいか、先週は腹痛がひどく、お医者で検査してもらったら、ひどい膀胱炎ということに・・恥。 ちょうど、皮膚が化膿していたのでペニシリンを処方されて飲んでいたのに、膀胱炎になったなので、ペニシリンはきかないバイキンさんたちということで、新たな抗生物質を処方されました。おまけにひどいアトピーとアレルギーも勃発。
満身創痍だねえ・・、とヤコブも同情。
ヤコブが陸にいる間に回復せねば、と、数日、午前中、こんこんと寝て、夜もぐーちゃんと一緒に早く寝て・・・今日は、ああ、ずいぶん回復した!と元気で爽快な気持ちで起き上がれました。
何より、友達からのお見舞いメールに、心が即元気!になりました。それで体も一気に回復できたんだなあ、私は幸せだなあと思いました。(お返事が相変わらず遅くてごめんなさい!そして本当にありがとう・・・・)

ヤコブが陸にいられる間は、ぐーちゃんの保育園の送迎と、スーパーでの買い物と、モアモアの梱包作業と会計と、デンマークの仕入先さんとの交渉・連絡と、ぐーちゃんのおむつ替えなどの世話を担当してもらってます。
私は、家事一般と、モアモアの梱包作業の指示と、メールなどその他必要な仕事全部。
私が家事をしている間は、ぐーちゃんのお守りをしてもらう、という約束。ぐーちゃんが、"ママがいい!" とかじりつくときもあるので、そんなときは、交代。

普段は全部一人なので、ひきしぼられた弓のような感じで毎日くるくる働いているのだけど、
手分けして出来ると本当に助かります。
喧嘩はするけど(笑)、やっぱりいてくれないと困るなあ、と痛感。

先週は、モアモア卸売りのお客様が3件ほどあって、史上最多!?の陶磁器を梱包し、無事送り出しました。

そんなわけで、長らく新着商品を掲載できずにおりましたが、もう少しで掲載できそうです・・!

そして・・、色々長い間考えた末、決めたこと。
10月にはヤコブはひとまず航海士をやめて、家族と一緒にすごすこと、そしてモアモアの発展に今まで以上に、全面的に集中することにしました。

色々本当に悩みましたが、私と息子の毎日の生活のためにはそれがいいと決断しました。


実家が近くにあるのならまだしも、私にとってはやはりまだ外国で、一人で一年の半分、シングル・マザーをしながら店を経営していくのは、きつい面があり、なにより体調によくでてしまっていました。シングルマザーで頑張っている方だっているし、私の努力が足りない、と自分を責めることもありました。"そうやって頑張っている人だってたくさんいるじゃない" と言われ、私の頑張りや要領のよさが足りないんだ、と情けなく悲しくなることもあれば、"めぐちゃんほど頑張っているママはいないよ"と言ってくれる優しい友達もいました。

ヤコブの、航海士としての出世が大切と、"ヤコブはいつ船長になるのか?"と気にする家族もいます。
船長になるのは、10年ではすみません。写真や絵であるように、船長はやっぱりおじいさんです。
今は一等航海士になれたばかりだけど、そこから船長までは一気にすぐなれるものではありません。
そして船長になったら、給料はあがるけれど、航海日数はそんなに変わりません。
1年の半分近くは海の人なのです。
ヤコブが持つ機関士と航海士の資格を取得するには通常6年かかります。それだけ長い間専門教育を受けたのに、無駄にするのか?と聞かれることもあります。
本人は、もともと、いずれ、その資格を使って陸で働くつもりだったし、自分の一番したいことは、ぐーちゃんのそばにいて成長するのを毎日みて、疲れている私のことも助けたい、と言って、この決断は本人がまず言い出したことでした。私は実はしばらく反対していたのでした。

でも、このままでは、私が、一生、外国で、1年の半分はシングルマザーで、自営業で。冷静に考えて、かなり大変ではあります。
助けてくれる本当にあたたかな優しい友達が出来、心はとても元気になりました。
でも、体力的に、私の、アレルギーもちだったり、すぐ感染症になったりする体質がさらにひどくなって、この2年で、とみに弱ってきているのを感じていました。

ぐーちゃんは2歳になったばかりですが、言葉の発達が遅い、とヤコブの友達のデンマーク人に言われることもありました。
デンマーク語と日本語と英語。多言語で接されているぐーちゃんなので、通常より少し遅くなるだろうというのは予測していましたが、一日のおわり、疲れた私は、一人でぐーちゃんといて、そんなにおしゃべりすることもなく、もくもくとご飯をあげて、お風呂に入れて、倒れこむように寝る・・という、そんな生活のせいかもしれない、とも思ったりしました。

私は母親として努力が足りない、と思う気持ちはいつもどこかにありました。

でも、、むしろ、そんな自分の弱いところを認めて、助けを求めるほうが、ぐーちゃんのためにもいいのではないかと思ったのです。体調の悪い疲れた忙しいお母さんとずっといるより、元気なお父さんとお母さんと一緒にたくさん遊んで、ご飯を色々作ることのできる余裕のあるお母さんの料理で育って・・、週末には動物園にでも、みんなで出かけて。というほうが、まだ小さくてわんぱくで、手のかかるぐーちゃんのために、いい。と思ったのです。

毎日の育児のなか、ほんの一瞬でも、誰かが家にいて、ちょっと見てくれる、ということがどれだけ有難いことか。
なにより、自分が病気のとき、一人ではどうにもならないのです。具合が悪くても起き上がって、面倒をみて、自分のものはさておきぐーちゃんのご飯を作って、遊んで・・そうしているうちに、治るものも治りません。

また、私たちの住む地域では、保育園、保育ママが不足していて、たとえば今回のように、1ヶ月、保育ママが病欠のとき、通常ならば地域の代理保育ママのもとへ行けるですが、数が足りないために、遠くまで行かなくてはならず、かつ日替わりで代理保育ママがかわったりしました。往復1時間の保育ママのもとへ、具合の悪い私が地図を見ながら行く・・というのも無理がありました。しかも、デンマークの保育ママは閉園もびっくりするほど早く、15時から16時。かといって保育園は2011年まで空きがなく・・・。3歳になったら、90%の確率で、すぐ隣のシュタイナー幼稚園に入ることが出来るので、あと1年の辛抱だけど・・。

免許を取ればいいのですが、今の生活では、ぐーちゃんを預けて免許を取りに行く余裕もありません。

それらすべての問題を解決するには、数年でも、ヤコブが陸で仕事すること・・と思ったのです。

収入の面での心配はあるけれど、どうにか頑張れるというめども、本当におかげさまでついてきました。そして、これからが頑張りどきです。

1年前、この古い家へ引っ越してきたとき、何十年も手を加えられていないので、いたるところ、修理が必要だったのですが、それは全部放って、まずは事務所と店の整備、仕事が先決と、この1年、集中してきました。ヤコブが3週間ずつ船に乗っていて、陸にいられる2、3週間は、たまっていたモアモアの仕事をする・・という繰り返しで、彼は大工仕事が得意だけれど、何もすることが出来ませんでした。私も、2歳児を抱えて一人で改装作業は、ペンキ塗りがせいぜいのところ。カーテンもかかっていないし(カーテンレールもないです)、2階の床はぼろぼろで使えないし、家具も、引越しのときとりあえず置いた場所のまま放置・・という状態だったのでした。とはいっても、大工さんに頼んだりしたら、とても高いし・・
でも、ついに、この不便さをとりあえずでもどうにかしないと!とヤコブ。

10月に、陸の人となったら、モアモアの仕事をこなしながら、週末は自分たちで家の改装を少しずつ始めると決めました。
賃貸なので、あまり手をかけてもしょうがない面もあるけれど、まだ数年はここに住むので、暮らしやすいようにしよう、と決めたのです。

色々、不安もあるけれど、正直、ほっとした気持ちで、嬉しいです。
10月からは、ヤコブに少しぐーちゃんを預けて、髪をきりにいったり、出かけたり、ジョギングだって出来る。免許を取りにも行ける。みんなで週末出かけられる。ずっと、忙しくて無理だと市役所に言って、交渉し、保留していた、デンマークの永住権を取得(色々な条件があり、デンマーク語の試験も通らなくてはならず、通常7年かかります)するために義務づけられている、デンマーク語学校通いもやっと始められる。

病気のときは、休むことが出来る。家も暮らしやすくできる。

そしていつか・・・日本にもモアモアの店を持てたらなあ、と大きな夢も出来ました。
ヴィンテージのものも、北欧の可愛い子どものもの、子ども服、手作りのものがならんだ小さな可愛いお店。Liebeリーベのものももちろんたくさん。デンマークの子ども部屋のようなところもあって、大人っぽいクールなところもある、そんなお店。

希望を持って、進んでいこうと思う、夏の日でした。

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