トンネルの出口 The light at the end of the tunnel

昨日はデンマークは祝日だったので、保育園はお休みだったので、お問い合わせをくださりましたお客様へのお返事が遅くなってしまってすみません・・!

今朝、ぐーちゃんを保育園に送り出したあと、ただいまお客様からのメッセージにお答え致しております。

看護士さんが、保育士さんに私たちの状況をたくさん話してくれて、ぐーちゃんがたとえあまり離乳食を食べなくても、午後まで預かってくれることに先週からなりました。12時には迎えに行かなくてはならなかったのが、14時半までいられることに。ああ、本当に助かります。

そうしたら、ぐーちゃん、離乳食を食べるようになったではありませんか。ママの心の余裕なのかしら・・・(^^;)
思いっきり手をワイパーにして楽しそうにご飯をまきちらしつつ、食べてくれて、ママはほっとするやら幸せやら・・・毎回台所中ぞうきんがけだけど、食べてくれることだけで、ママは嬉しい~。

そして土曜日、一週間ぶりにヤコブが家にいてくれて、みんなでご飯を食べました。 そしたらますますぱくぱく・・ああ、よかった!

そして先週も、たくさんのオーダーをまことにありがとうございました・・!
すべて金曜日にお送りし、それぞれのお客様にお知らせ申し上げました。郵便局に送ったあと、ヤコブはまた日曜日からヤコブ・ママさんの家へ、卒論の最後の仕上げに集中するために出発。1週間また泊り込みです。

でも、その後は・・・6月9日には航海士兼機関士になれます!!
うわ~~い!!7年越しの(ええ、すごく長いんです・・課程が・・)お勉強がやっと実を結びます・・・

途中、ほんとに卒業できるのだろうか・・、このままずーーっとビンボー学生のままなのだろうか・・などどついつい心配しちゃったこともありましたが(笑)トンネルの出口はもうすぐ!
もう、ホッとするやら嬉しいやら、胸が早くもいっぱいです。まだ卒論提出してないのに。待ちきれません。

肩にラインの入った、航海士の制服を着て晴れがましく!? 卒業式に出られるのももうすぐ。うう、もう感涙・・早くも・・・。

モ アモアのお店も、ヤコブが船乗りとして働き始めることもあって、本当にお蔭様ながら、初めて!事務所を持つことが出来そうです。今年の1月10日に開店し てからほぼ半年・・・まだ場所は確定してないのですが、8月か9月に、アンデルセンの町オーデンセに事務所を持てそうです。もう、小さなアパートの半分を お店にする必要もなく、私たちの住む場所とお店をはっきり分けて、梱包スペースも、陶磁器の棚ももっともっと余裕をもって持てることに・・・・イエッペも 通勤に片道1時間半かけなくてすむので、もっと長く働けるようになります。うれしいです・・・。

モアモアにいらしてくださりました皆様、あったかいメッセージをくださりました方々、本当にありがとうございます・・。そしていつも励ましてくれる友人たち、ありがとう・・

近所のごみ問題からも解放されるのは正直本当にうれしいです。
デンマークのなかの外国、このゲットー・エリアに住んで、恵まれた国、世界一しあわせな国デンマークの中の、文化の溝を見るような日々でした。
ヤ コブが学生で、私は会社を辞めて新しくお店を開いて・・・そんな私たちにとって、家賃の安いこの地域に住むことはほぼ必要なことでした。家を探していたと き、私は妊娠中で遠いコペンハーゲン、ヤコブは臨終のお父さんの看病と学校の試験におわれていたし、たくさんの家を見て探す余裕も時間も全くなかったので す。

でも、窓の外の森が大好きで、そこでねこたちも遊べるのがうれしいと思っていました。でも、そこにはたくさんのごみが。森のごみを毎日 ぐーちゃんの散歩がてら拾っても拾っても、毎日新しい、たばこの箱、缶ビール、お菓子の袋、洋服のタグなどがたくさん捨てられ、悲しい気持ちでした。
デ ンマークに移民としてきた東欧、中近東、アジアの人々は、この国に来て、衣食住に困ることはなくなったけれど、文化的背景が全く異なる国で、暮らしていま す。デンマークの学校に通う子どもたちの世代には、ごみをポイ捨てしないことを教えることができても、大人に教えることは難しいです。ぐーちゃんの保育園 はこのゲットーエリアの中。ここで働くデンマーク人の保育士さんたちも、ごみについて悲しく思っています。子どもたちにきれいな森や町を受け継ぎたいの に。と言っていました。

団地のような窓には、巨大なプラスチックのシャンデリアを飾り、大家族みんなでお金を出しあって買った大スクリーンのテレビ。
ポイ捨てされたごみは、ゲットーを管理するデンマーク人のおじさんたちが一生懸命拾っているけれど、追いつきません。
窓辺にお花を飾ること、ごみを捨てないで道も森もきれいにすることが本当の豊かさだと私は思うけれど、そんなふうには思わない人々もたくさんいるようです。
雑貨が大好きで、お家やまわりを明るくきれいにすることも大好きな私にとって、ごみをごみ箱に捨てることはごく自然なことで、だいじなことだけど、世界にはいろいろな価値観や文化、背景があるのです・・。
でも、確かに、私自身も、気分があまりに沈んでいるとき、家をきれいにすることは精神的にも、手がまわらないことです。
ましてや、物理的にも余裕などなかったら・・
とはいえ、この不況下にデンマークの失業率はたったの3%。豊かな国なのです。
でもそんなデンマークでも、このゲットーの住人の中には無職の人も多く住んでいます。
そんな理由もゲットーにポイ捨てが多い理由かもしれません。

犯 罪の少ないデンマークで、ときどきおこる事件の多くは、ゲットーに住む人々の家族間の問題から起きます。たとえば、イスラム教徒の家族の娘が、デンマーク 人のボーイ・フレンドを持ったとき。娘の父親は、不名誉として、娘を殺したり、またはデンマーク人のボーイ・フレンドを殺したり。そんな事件も起きます。 そんなケースから逃れることができるよう、移民としてやってきた家族の女性たち、特に二世の世代の女性・・文化の溝にいるための悲劇におそわれがちな女性 たちの駆け込むことの出来る施設がデンマークにはあります。親の世代は、デンマークの文化も、デモクラシーも理解できない。
子どもたちは、デンマークの学校に通って、宗教も客観的に見ることを教わる。全く相反する文化の溝に、子どもたちは陥ってしまうのです。
デ ンマーク政府は、移民の親の世代に対しては、彼らの文化を保持するためにも、デンマークへの同化を促す政策はかつて取られていませんでした。でも、様々な 問題、犯罪の増加を防ぐためにも、子どもたちの世代には、デンマークの学校に普通に通うことが促されています。でも、家に帰れば、お父さんが、デンマーク 人の男とは付き合うな、といい、学校ではデンマーク人が友達・・引き裂かれてしまう現実があります。

私は、ゲットーから出ることを毎日願って、そのためにも働いていました。 ごみを拾ったり、ポスターを書いたり、無意味だったかもしれないけれど、できるだけのことはしたつもりだけど、でももっと何かできただろうか、とも思います。
コペンハーゲンではぴかぴかのオフィスで働いていたのに、とか、ときには正直、私はここに住むべきじゃないのに、と思ったりしてしまったことも。間違っているかもしれないけれど、正直な気持ちでした。
カフェが近くにあって、ごみが毎日毎日増えていくのを見ないですむところに住みたい、ぐーちゃんが安心して走り回れるところに住みたい。そんなふうに毎日思っていました。

ときには、お金を貸してくれ、たばこ代を貸してくれ、という、セルビア出身の、戦争によるトラウマに苦しむPさんがうちのドアをノックしにやってきたりもしました。
お金を貸すことは善し悪し。デンマークの政府からお金は出ているのです、衣食住には困らない国なのだから・・・・このゲットーのアパートの家賃もそのような背景の人には、政府が払っています。でも、もちろん生活ぎりぎりなだけの金額だけど・・お金を貸しても、お酒、ましてやドラッグに使われてはもともこもありません。

ヤ コブは、デンマーク人の代表として、そういう人たちを助けることによって、ほかのデンマーク人たちにもよい例を見せたい、と言って、パソコンをつなげてあ げたり、デンマークの文化を説明したり、デンマーク文化に対する誤解を解いたり、 いろいろなことをしていました。セルビア出身のPさんは、助けてくれたデンマーク人はヤコブがはじめてだ・・と感激していました。

ここを出られる日は、うれしくてたまらなく、心の底からほっとできる日だけど、胸がちくりともします。

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