Musahar ムサハー

Luft under Vingerne 翼の下に集って。

Mushar ムサハー社のユーモラスでおしゃれなふくろうのクッションは、エコロジカルな素材を使い、一つ一つ手で縫われた手作りの作品。草木染で染められた丈夫なイ ラクサとオーガニック・コットンから作られ、天然のヤクの毛のウールがつめられています。

pictures from Musahar

デンマークのおしゃれなセレクトショップでまたたくまに人気となったこのクッションの作り手は、南ネパールのソイヤという小さな村の23名のダリッ ト - 抑圧された者という意味 で、ヒンドゥー教社会で最も差別される人々 - の女性たち。

2010 年5月に Musahar ムサハー社は、デザイナー、Karen Bagge カレン・バ-ゲと 発展途上国の支援を仕事としている Anne Mette Nordfalk アンヌ・メッテ・ノーフォーク 、2人のデンマークの女性により立ち上げられました 。 デンマークJL基金の援助も受け、2人は、ソイヤの女性たちに、縫製のトレーニング、ミシンの提供をすることから始め、今は、ビジネスの運営をサポート、 また製造過程を細やかにフォローしています。

picture from Danish magazine "Vi Forældre"
向かって左が、デザイナー・Karen Bagge カレン・バ-ゲ。右が、Anne Mette Nordfalk アンヌ・メッテ・ノーフォーク

pictures from Musahar

もともと、ソイヤの女性たちは、奴隷労働や臨時雇いの農作業に従事していました。でも、今では、彼女たちは自分たちの工房を運営しています。教育を受けることも出来なかった、下層カーストに属すとされている女性たちにとって、これはとても稀なこ と・・。

ソイヤの女性たちは、公平な報酬を、ふくろうのクッションの販売数に応じて支払われています。また Mushar ムサハー社は、女性たち自身の希望に応じて、洋裁のトレーニングを提供しています。この仕事により、女性たちは、貯金する機会を得、各自が自由に使うこと の出来るお金を手に入れることが出来るようになりました。Mushar ムサハー社は、将来、医療保障、奨学金制度の実施をすることも計画しています。

この仕事に従事することで、女性たちは安定した収入を得 て、小さな村の中で働く機会を得ました。それにより、子どもたちのために食事を作 ること、子どもたちを学校に通わせることが出来るようになったので す。また、村の中で仕事することで、小さな赤ちゃんのいるお母さんたちも参加し、生計を立てることが出来るようになりました。

隷属者とし て、また夫に依存して生きなければならなかった女性たちが、自分の力で生活を立て、一緒に集い、子どもたちに食べ物と教育を与えることが出来るようになっ たことは、彼女たちの喜びと自信にもなりました。

北欧では、ふ くろうは、森の賢者といわれます。デンマークの女性たちが作ったふくろうの知恵の翼のもとに、ソイヤの女性たちは集い、力を得ました。そして、自分たちの 手で羽ばたくことが出来るようになったのです。

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それぞれの女性には、それぞれのストーリーがあります。

Sita シータのストーリー:

家、子どもたちのそばで仕事することが出来る喜び・・・・

Sita シータは22歳、6歳の Anjali アニャリと3歳の Asik アシクのお母さん。以前は刺繍グループで働いていましたが、とても丁寧な仕事ぶりとその腕を見込まれて、今では縫製グループの責任者です。

" 学校へは3年間通いました。でも母が亡くなったので、家で家事をしなければならなくて、学校に通えなくなりました。13歳のときに、1歳年上の夫と結婚し、今は2人の子どもがいます。2年前に3人目を妊娠したのですが、中絶しなければならず、そのときに費用の支払いがまだ残っています。 " と、Sita シータは言います。

Musahar ムサハーの仕事のどんなところが嬉しいですか?という質問に、Sita シータはこう答えています。

"ソイヤの村の中で仕事が出来とが、嬉しいです。子どもたちがまだ小さいので、私は遠くまで仕事に出かけることが出来ません。また、ずっと家にいるのではなく、友人たちと座って一緒に働くことも楽しい。それに、私自身の収入を持てることで、食べ物や学校で必要なものを、子どもたちに買うことが出来ることが喜びです。時々は夫が私のお金を使うこともありますが、今はそうして一緒に貯金が出来て、嬉しいです。"

Sita シータには抱えている困難もあります。

" 辛いこと、それは、夫が私に手を上げることがあることです。前回は3日間通院しなければなりませんでした。でも、私の子どもたち、そして私の自立への芽生え、力が、私を支えてくれていて、頑張っています。 "

Sita シータには夢も出来ました。

" 私の夢、それは、れんが造りの家。もし私のお給料を貯金して、夫のお給料で食料などをまかなっていければ可能です。そして裁縫ももっと上手になりたいです。そうすれば、夜、家で、洋服を人のために縫うことが出来るから・・ "


Devaki デヴァキのストーリー:

学ぶことへの意欲を持てたこと・・・。

Devaki デヴァキは16歳。母、父と、3人の姉弟たちと一緒に、一部屋だけの、泥で作られた家に住んでいます。

" 以前は、働いているのは父だけだったので、しばしば、家族に十分な食料を買えないことがありました。今では、母と姉、そして私が、Musahar ムサハーのクッションを作っているので、食料には困らなくなりました。しかも、貯金も出来るようになったんです。 "

Devaki デヴァキがクッションを作るようになって得たものは、それだけではありませんでした。

" クッションを作る仕事が好きです、私にとって、厳しすぎたり難しすぎたりすることではないからです。以前は学校に通っていたのだけど、学ぶことが難しすぎて、12歳のときに中退してしまったんです。 でも、今、私の夢は、もっと洋裁を学ぶこと。そしていつか自分のウェディング・ドレスを縫いたいです。まだ結婚はしたくないけれど・・・その前にもっと色々なことを学びたいです。"

Laximi ラクシミのストーリー:

屋根の下で暮らせる喜び。

Laximi ラクシミは50歳くらいの女性。3人の子どもたちと3人の孫たちがいます。
以前、彼女は、地域の地主の下で奴隷労働者として暮らしていました。今では、彼女は、家族と共にソイヤの村で暮らしています。

彼女と家族にはたくさんの困難がありました。

" でも、今では、私と娘が Musahar ムサハーのクッションを作るようになって、食べるものに困らなくなり、そして家の屋根も買うことが出来たんです。 "

" 仕事を始めたばかりのとき、大変だったことは、裁縫を習うことでした。私は目がもうよくないんです。でも、今は、クッションにヤクの毛のウールを詰める仕事を担当するようになって、こちらのほうがやりやすいし、仕事に満足しています。 "


彼女にも夢が出来ました。

" 私の夢は、れんが造りの家を持つこと。Musahar ムサハーで働くことで、銀行に貯金することが出来るようになり、私は娘と一緒に貯金を始めました。- だから、夢の実現は可能になったのです。 "

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翼の下に集った女性たちは、様々なストーリーを抱えながらも、その困難が、自立する喜びや夢に変わっていっています。

そんな物語を持ったフクロウたちですが、いえきっとだからこそ、そのお茶目でのんきな表情が愛らしく、ほっこりした気持ちにさせてくれます。


Blue bird 青い鳥、Rainbow bird 虹の鳥、Beaky bird くちばし鳥、Little bird 小さな鳥、とそれぞれ名づけられたふくろうたちは、それぞれに表情豊か。

淡いピンクとイエロー・水色の組み合わせ、ピンク・モスグリーン・グレイの組み合わせが絶妙に可愛らしく、手縫いのあたたかみのあるきれいな色のステッチがポイント。

ユーモラスな存在感、そして色あわせの爽やかさと、やはり北欧デザインらしさがいっぱいで、とってもおしゃれ。
エコロジカルな素材であり、人の幸せを考えて生み出されたこと、その製造過程も、北欧らしいたいせつな要素。
子ども部屋においても可愛いし、リビングのソファにおいてもおしゃれでお茶目です。

Musahar ムサハーのクッションたちが登場したのは去年、2010年の春のこと。
瞬く間に、コペンハーゲンのセレクトショップやインテリアショップで人気になりました。


我が家では、息子が、ホー・ホー(ふくろうさんの鳴き声らしいです)、と名づけ、抱きしめたりよりそったり、振り回したり(笑)しています。

よかったら、モアモアの店で、ふくろうさんたちに出会ってみてくださいね・・・



For Danish/international readers, you can meet Musahar and their great stories here

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